家づくりのプロである工務店の社長は「個性派」だらけ。
筆者はこれまで多くの工務店の社長に会ってきましたが、愛すべきというか、なかなか個性的な人たちが多いです。工務店の社長になるには、社長個人には特に資格は入りませんし、出自はさまざまです。このコラムでは、顔ぶれは多彩で、特徴もさまざまな、工務店の社長についてお伝えします。
工務店の跡継ぎ社長は、まじめで勉強熱心
工務店の社長は、大きく分けると「先代から会社を継いだ人」と「起業して工務店を設立した人」の2つに分類されます。
「先代から会社を継いだ人」は、ほとんどが大学で建築を学び、設計事務所や建設会社、大手ハウスメーカー等で「修行」した後、実家の家業を継ぐという社長が多いです。
大学で建築を学んでいても、大学ではほとんど木造は教えていないので、実家の会社に入社しても、はじめのうちは大工さんの仕事を理解したり、職人さんとの人間関係をつくることから勉強していくことになります。
住宅とは積み木細工でなないことを知り、家づくりの難しさや大変さを経験しながら、家づくりの営業や設計、工事、メンテナンス等の実務を覚えていくことになります。
工務店の創業社長は、多士済々
「起業して工務店を設立した人」は、本当に多士済々です。
建築関係の仕事をしていた人で、お客様を見つけるのがうまく、一人親方や大工さんに仕事を紹介しているうちに、本業から工務店を設立してしまったという人もいます。
建築とは全く関係のない業種で営業マンをしていた人が、地域でナンバーワンの工務店になるということもあります。勉強熱心で、ユーザーの気持ちがよく理解できる人に多い印象です。
不動産業界から工務店に転身した社長は、不動産会社での分譲住宅の仕事で「痛い」思いをした経験を持っていることが多いです。建てて売りっ放しという場合、後でクレームの嵐が襲ってくるからです。お客様に喜んでもらうつもりで家を販売したのに、逆に営業マンとしてその苦境に立たされ、ひどい目にあったりする経験です。そうした反省をもとに、自ら工務店の社長になることで、きちんとした管理を心がけている社長もいます。
職人上がりの社長は、家づくりの技術に自信を持った、ざっくばらんな感じの人が多い印象です。傾向として、人付き合いが苦手、あるいは面倒くさいという人も少なくありませんが、それでは経営者は務まりませんので、ゴルフなどの独自の交際術を身につけているようです。
まとめ
工務店の社長といっても個性派ぞろいで、得手不得手はありながらも、それぞれのカラーを持っています。一般のお客様からはなかなか見えにくいというところが残念ですが、共通しているのは「営業は苦手」であることです。飾らず、ありのままの家づくりの姿勢を伝えることで、お客様や設計事務所との「共感」を求めているのが、工務店の社長です。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
最新記事 by HOUSEBASE 代表取締役 植村将志 (全て見る)
- 4号建築物も構造図書の保存義務化へ - 2020年1月10日
- 耐震等級の徹底解説!住宅性能表示の構造の安定とは? - 2019年7月29日
- 住宅のリフォームは「健康性能の強化」が必須な理由 - 2019年6月15日
- 工務店は「事業承継できるかどうか」で選ぶ時代に - 2019年5月20日
- 省エネルギー住宅の「全館空調」はエアコンのみで実現できる - 2019年5月19日
こちらから(コメントフォーム)自由にコメントください!