「空き家バンクで地方移住!」のすすめ
全国で空き家が増える中、地方自治体では空き家や空き地を有効活用するべく「空き家バンク」を運営しています。
過疎に悩む地方自治体では、空き家バンクでIターンやUターン移住者を呼び込み、移住後の生活をバックアップしている場合も。
理想の田舎暮らしを実現させてくれる、空き家バンクに注目してみましょう。
空き家バンクって何?
空き家バンクとは、自治体が主体となって空き家を紹介するシステムです。
空き家の持ち主が自治体に空き家バンクへの登録申し込みを行うと、自治体では物件を確認した上でデータベースに登録し、空き家を探している人に紹介します。
空き家バンクの制度は、全国の約7割の自治体にあります。
特に過疎が進んでいる地方の自治体では、IターンやUターンなどの移住を促進するために、空き家バンクに力を入れていることもあります。
家の売買には宅建資格者が必要ですが、宅建業者が少なく空き家の取引がしにくいような地域でも、自治体が紹介することで、移住希望者に情報を伝えることができるのです。
全国で空き家が増加する中、国では空き家売却の際の税制優遇などの対策を始めています。
空き家バンクの活用もそのひとつで、各地の自治体が独自に運営している空き家バンクの情報を国土交通省が一元化し、インターネット上で検索しやすいようフォーマットを統一する予定です。
自治体をまたいでの空き家探しもスムーズになり、空き家や空き地の市場が活性化することを目指しています。
地方に移住したい人におすすめな理由
空き家バンクには、売買情報だけでなく賃貸物件の情報も掲載されています。
空き家の持ち主としては、
- 放置して荒れていくよりも住んでもらったほうが管理ができる
- 売却する決心はつかないけれど、固定資産税などのコストは賃料で回収できる
というメリットがあります。
借り主側としては、
- 本格的な移住の前に、お試しで家を借りて住める
- 物件購入のまとまった資金はないけれど、田舎暮らしができる
というメリットがあります。
物件によっては、資金は自己負担になりますが、好きなように手が入れられるという条件付きのものもあり、自分好みのインテリアの家に格安で住めることもあります。
またIターンやUターンで移住を促進したい自治体では、空き家バンクで居住先を紹介するだけでなく、その後の生活を含めた移住サポートを行っているところも少なくありません。
学校や保育所の紹介はもちろん、仕事のあっせんや地域コミュニティとの橋渡しなど、移住後の不安解消の窓口にもなってくれる心強い存在です。
また、リフォーム費用の一部助成や、若年層や子育て世帯向けに特化した空き家を用意している場合もあります。
▼参考サイト
U・Iターン住まい支援事業について(島根県)
移住定住支援スタッフ制度(島根県・雲南市)
中山間地域移住者用住宅改修事業補助金(静岡市)
空き家バンク登録物件リフォーム補助金(山梨県・韮崎市)
若者用空家バンク(東京都・奥多摩町)
空き家バンクにはユニークな物件も多くあります。
農村部では農地付きの物件、山間部では別荘として使われていたおしゃれなログハウス、立派な柱や梁のある築100年以上の古民家、中にはトレーラーハウス付きの物件などもあるんです。
そしてどの物件も、都会のマンションとは比べものにならないくらい広いのが魅力です。
空き家バンク利用の注意点
空き家バンクで失敗しないために、下記3点については必ずチェックしましょう。
①登録方法、仲介の有無は?
紹介後から契約までは、自治体が協定を結んでいる宅建業組合などが仲介を行う場合と、当事者間で直接契約を結ぶ場合があります。
登録方法や仲介の有無は自治体によって異なるので、事前によく確認しておきましょう。
②リフォーム、リノベにお金がかかりすぎないか?
空き家として放置されている期間が長い物件では、かなり大規模な修繕が必要になることもあります。
購入価格が安くてもリフォームにお金がかかるというケースもあるので、ホームインスペンションなどを利用して、事前に建物の状態をよく確認しておきましょう。(→詳しくは「ホームインスペクション(住宅診断)」で、安心な中古住宅購入)
③「訳ありすぎ」な物件ではないか?
空き家バンクの物件は「とにかく処分できればいい」、「固定資産税が回収できればいい」という持ち主が破格の賃貸料で提供していて、お得に感じる物件が多いです。
しかしあまりにも安すぎる物件は、何か理由があるもの。
駅から遠い、急傾斜地にあるなど利便性が悪い場所は、高齢になっての車の運転や体力の低下を考えると、リタイア後の住居としては適切ではありません。
また、新たに下水の配管が必要だったり、建て替えなどに制限がある地域だったりすることもあるので、条件の有無も確認が必要です。
(まとめ)豊かな自然と人情に包まれた田舎暮らし
田舎暮らしの不便さに適応できるか心配、という人もいるかもしれませんが、必要なものはインターネット通販で数日以内に手に入るこの時代、さほど不便さを感じることはありません。
過疎が進む村では、若者や子育て世代を大歓迎してくれます。
地域の行事に参加するうちに交流が深まり、おじいちゃんが畑の野菜をわけてくれたり、おばあちゃんが子どもの世話をしてくれたりすることも。
地域の人たちに見守られながら、自然の中で伸び伸び子育てをするのも、移住の大きなメリットのひとつでしょう。
空き家バンクを利用して、豊かな自然に囲まれた広い家での田舎暮らしを実現してみてはいかがでしょうか。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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