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公開日:2017.01.24  /  最終更新日:2018.11.03

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設計事務所・工務店

工務店との家づくりに最も重要なことは「相性」

筆者は家づくりコーディネーターとして、これから家を建てるお客様や設計事務所から「工務店を紹介してほしい」と頼まれる機会が多いです。HOUSE BASEでは、家のつくり手である設計事務所や工務店とネットワークを構築しておりますので様々な会社を知っておりますが、それぞれの意向にかなう工務店を紹介することは容易なことではありません。なぜなら、すまい手とつくり手の「相性」の問題が大きいからなのです。

工務店との家づくりに最も重要なことは「相性」

工務店選びには「相性」が重要

工務店を紹介してほしいと依頼されるのは、主に「新築の住宅を建てたい」または「リフォームやリノベーションをしたい」という場合です。

工務店を紹介する際には、地域的な条件が最優先です。工事中はもちろん、その後の維持・管理のためにも近い方が望ましいからです。その距離の目安としては、車で90分圏内あたりが限界なのではないかと思います。その上で、技術力、経営的能力、実績、見積り金額などから判断することになります。

もちろん、技術的な条件が最優先される場合があります。設計事務所案件に求められる難しい納まりのある施工がある場合や、木造耐火建築物など特殊な工法への対応が求められる場合等です。古民家の改修などでは、他ではできない独特の技術や材料を備えていて、距離や費用は二の次という現場もあります。このように求められているものが明確な場合は紹介しやすいです。

気をつけなくてはならないのは、技術面や経営面、実績では問題はないのに、感情的な部分や価値観で「相性」が合わないという場合です。すまい手もつくり手も、どちらも人間ですので、当然ながら相性の問題はあると思います。

筆者は工務店紹介を依頼された場合、お客様にも設計事務所にも「必ず工務店と面談すること」をお願いするようにしています。なぜなら家づくりの鉄則である「いい人、いい会社に頼むこと」を判断するためには、WEBサイトや雑誌、紹介者の情報だけでは分からない点があるからです。

工務店も、実はお客様との相性を重視している

お客様の中には工務店を訪問すると、営業的なアプローチを受けるのはないかと思われる方もいると思いますが、実力のある工務店ほど一方的な営業アプローチは行いません。工務店側もお客様との「相性」を最も重要視しているからです。

工務店がなぜお客様との「相性」を重要視しているかというと、家は建てて終わりではなく、その後もメンテナンスや点検などで、長いお付き合いになるからです。そこにはお互いの信頼関係が大切になります。家は経年変化で手をいれなくてはいけない部分も生じてきますので、安心して相談できるのはその家をよく知る「建ててくれた工務店」が一番になることが理想です。工務店もその関係を望んでいるからです。

工務店は、お客様の予算などもよりも、本当に良い家を望んでおり、自社を評価してくれるお客様に対しては、「このお客様のために良い家をつくって喜んでもらいたい」と考えているのが本音です。

設計事務所との工務店選びの注意点

設計事務所に設計監理を依頼されている場合は、その設計者と共に工務店選びを行うわけですが、設計者のアドバイスを参考にしつつも、発注者として下記の点には気をつけて選定していただくようにお伝えしています。

1.設計事務所が信頼する工務店1社を指名して、見積り、工事契約、施工を行う場合

→設計者と施工者の相性に問題がないことはメリットです。お互いに信頼関係があるので、工事もうまく進むことが多いです。完成保証を付けるなどのリスクヘッジだけ注意する

2.設計事務所と選定した複数の工務店から相見積りで工務店を選定する場合

→工務店選びの条件の中で「見積り金額」が最も重視されやすくなるので、他の要素も必ず検討した上で決定する。設計事務所が工務店に見積り依頼や見積書の査定を行うので、お客様が工務店を決定(工事契約)するまでに面談しないことは最も避けてほしいことです。

3.設計事務所と工務店が初めて仕事をする場合には「プロ同士の相性」も考慮する

→設計者と施工者の相性が合わないこともあります。初めての組合せには注意が必要です。判断するのは難しいかもしれませんが、着工前に3者で食事に行くなどしてコミュニケーションを深めておくことが有効です。

まとめ

家づくりの依頼先として工務店を検討する場合は、WEBサイトの情報や見積り金額だけではなく、自分との「相性」を確認してください。工務店は長い付き合いになる相手ですから、相性や価値観などが合うかどうかを契約前の面談で知ることがとても大切です。お客様がそうした姿勢で工務店と接することにより、工務店側もより前向きな姿勢で家づくりに取り組んでくれることにもつながります。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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