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公開日:2016.09.06  /  最終更新日:2018.11.03

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空き家バンク

増えている空き家、どのように活用する?

テレビやニュースで、「空き家」が話題になることが多くなりました。
放置された空き家は街の美観を損ねるだけでなく、安全面や衛生面でも問題があります。
そのため国も対策に力を入れ、持ち主は空き家を放置できなくなってきました。
一方で、空き家を含めた中古住宅の売買も盛んになり、安心して売買できる制度も整備されてきています。

全国に空き家が増えている

あなたが住んでいる街に、空き家はありませんか?
「高齢になって一人で住むのが大変だから、介護サービス付きのマンションに引っ越した」とか、「子どもが相続したものの、すでに別の場所に家を構えているから住まない」とか、そんな話も耳にしますね。
数字を見ても、空き家は明らかに増えてきています。
これは総務省が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」の2013年調査。全国の空き家は約820万戸あり、これは住宅総数の13.5%にもなるのです。

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さらに10年後には全住宅の約2割の約1400万戸が空き家になるという予測もあります。
住む人がいない家は、傷むのも早いものです。
老朽化が進むと、地震などで倒壊する危険性も高まります。
ネズミや害虫のすみかになったり、ゴミ捨て場になったりすれば、衛生面でも問題です。
荒れた家は街の景観を悪化させ、防犯上の観点からも見過ごすことはできません。

放置するとデメリットだらけの「特定空き家」に指定?!

このような問題を改善するべく、国も対策に乗り出しました。
平成27年5月に施行された「空き家対策特別措置法」では、倒壊や保安上危険な状態、衛生上問題がある、著しく景観を損なっているといった空き家を市町村が「特定空き家」と指定し、所有者に修繕や解体を指導・勧告できることになっています。
指導や勧告を受けて持ち主が対策を取らない場合は、自治体が強制的に解体することもできます。
また、家が建っている土地は更地に比べて固定資産税が最大で6分の1安いのですが、改善勧告があるとこの特例からはずされ、土地の固定資産税が最大で特例適用時の4.2倍に増額されてしまうのです。

お得な税制を利用して、空き家を売却する

空き家の持ち主には厳しいことばかり、というわけではありません。
2016年の4月から、相続した物件を売却する場合、条件を満たせば譲渡所得の中から3000万円の特別控除が認められるようになりました。

045-image02

また、相続税の「取得費加算の特例」は、空き家に限らず複数の不動産や株式などを相続して売却する場合、納付した相続税額を取得費に加算できる特例です。
いずれの場合も相続発生から売却までの期限が決まっているので、早めに検討したほうがよいでしょう。
(→詳しくは「相続したけど誰も住まない空き家、売るなら今!」)

中古住宅のリノベとホームインスペクション

国の対策の影響もあり、空き家を含めた中古住宅市場が活気づいています。
中古住宅の流通量は、2013年には51万戸と10年前よりも7万戸増え、流通比率も27.5%から34.4%に増えました。
技術や素材が進歩して住宅が長持ちするようになり、割安な中古物件を自分好みにリノベーションする人が多くなっています。
住宅設備メーカーも、短い工期で交換しやすいドアや浴槽など、リフォーム向けのさまざまな商品を開発しています。

とはいえ、家を買うのは一生に何度もないこと。
中古だと品質に不安、という声に応えるのが「ホームインスペクション(住宅診断)」です。これは一級建築士など住宅に関する知識が豊富な専門家が、建物の劣化具合や施工不良の有無などを診断してくれるサービスです。
専門会社のほか、設計事務所やリフォーム会社などで扱っていて、売り主側とは関係のない第三者が確認することで中立な情報が得られます。(詳しくは「ホームインスペクション(住宅診断)を利用して、安心な中古住宅購入を」)

国でもホームインスペクションの利用を促進するよう、法案の改正を進めています。
媒介契約時にインスペクション業者のあっせんを希望するかどうかを確認し、買主に対して建物状況調査の結果の概要などを重要事項として説明することを仲介業者に義務づけることで、安心して中古住宅の売買を行ってもらおうというものです。
欧米では、中古住宅の流通比率が70~80%にのぼるといわれています。
日本でも、「中古を買って自分好みにリフォーム」が当たり前の時代が来るかもしれません。

まとめ

住む人がいない家を放置するのは、周辺環境を悪化させるだけでなく、持ち主にとっても経済的なデメリットがあります。

住まない家は売却して別の人に住んでもらうのが、家の資産価値を下げない最もよい方法ですが、売却する決心がつかないという場合は、安定して賃料収入が確保できる「マイホーム借り上げ制度」などを利用する方法もあります。

自分たちが住まない家を相続した場合や、自分たちが住む家が空き家になりそうな場合、放置せずに活用する方法をあらかじめ考えておきたいですね。

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HOUSEBASE 代表取締役 植村将志

住宅・建築分野におけるリアルな情報発信や、役立つコンテンツやサービスの提供、実務者向けのソリューションを通じて、すまい手やつくり手にとって納得のできる家づくりを目指しています。

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