間違いだらけの工務店の選び方
日本の戸建て住宅の約7割は、工務店が建てています。工務店には、いろいろなタイプの会社があります。工務店の実力差はとても大きく、ユーザーにとって本当に頼れる存在は少ないのです。このコラムでは、「間違いだらけの工務店の選び方」についてお伝えします。
工務店にはいろいろなタイプの会社がある
家づくりの担い手である工務店は、大手ハウスメーカーやパワービルダーのような宣伝等も行っておりませんし、会社としての信用力は比較しようもありません。
それでもすまい手に工務店が選ばれ続けているのは、大組織の「優位性」を越えた小組織(工務店)の「有利性」にあります。その有利性にはいろいろな要素が考えられますが、あえて一言でまとめると「きめ細やかな対応」にあると筆者は考えます。
工務店にも、実際の業務内容に応じて、いくつかのカテゴリーに別れています。
工務店を選ぶ際に、最も悩ましいことは工務店ごとの実力差がとても大きいことです。その実力差は、工務店の持つ歴史に加え、最新の情報を取り入れるための勉強量の差、設計力の向上を実現するための人財育成や外部の設計者との協働、施工力の向上を目指す意識の差などによって、とても大きな違いを生み出します。
工務店においては、特に社長や社員など「人」に関する部分で、大きな差があります。工務店が目指す理念を社長や社員が共通認識として持っていてそれを実践している会社は素晴らしいのですが、残念ながらその割合は限られています。
注文住宅を手がける工務店のテーマは広報力と設計力、施工力
注文住宅を手がける工務店のテーマは、広報力と設計力、施工力に尽きます。工務店の経営を長年続けて行くには、仕事を受注するための営業力よりも大切なことがあります。
- 広報力:地域や顧客に知ってもらうための取り組みをWEBサイトやSNS、紙媒体などで継続的に伝えているか?
- 設計力:自社の設計担当者の設計力の向上を実現するための取り組みや、外部の設計事務所との協働などに取り組みなどにより、自社が提供したい住宅の設計力を確保しているかどうか?
- 施工力:優秀な工務店ほど、自社の施工管理者(現場監督)の採用や育成に力を入れて、大工さんや職人さんを厳選して仕事を依頼しています。
あぶない工務店の見分け方のポイント
戸建て住宅を設計施工で工務店に依頼したい時に、必ずチェックしておきたいポイントは下記となります。
- 社長の家づくりのポリシー:家づくりにおいてやることとやらないことが明確に示せているかを確認。
- 人財力:会社を訪問して社員を確認。人財採用や教育に力を入れているかを確認。
- 広報力:WEBサイトやブログで自社の活動をきちんと伝えているかを確認。
- 設計力:間取りや外観、耐震や省エネ等の性能、使い勝手など総合的に評価できる設計ができるかどうかを確認。
- 施工力:厳選メンバーで施工する体制の場合、工事着工は大工さんのローテーションで決まるため工務店の都合になるが、そのことを明確に丁寧に説明してくれるかどうかを確認。
- 住宅の性能を語れるか?:耐震や省エネなどに関して、納得できる設計や仕様の有無を確認。
- 積算能力:見積書の内容が明確で、その内訳や金額について明快な説明があるかどうかを確認。
どんな住宅を望むかによって、選びたい工務店は異なりますが、最低でも上記の項目について契約前に確認することで「失敗しない家づくり」に近づくことができます。
<まとめ>
工務店は、すまい手との出会いの機会として、構造・完成見学会等を実施して「自社の家づくり」を伝える場を設けています。お気に入りの工務店が絞られてきたら、見学会等に参加して「実際の住宅」「手がけた人(工務店の社長、社員)」「家づくりへの想い」「性能や価格」などを自分の眼で確かめることが重要です。
今回ご紹介する優秀な工務店
意匠性・機能性に優れた家づくりを通じ、 地域の皆様のお役に立ちたいと思っています。 建物のデザイン性と性能・機能を融合させ、 経験豊かな管理者と熟練した職人が妥協のない向上心を持って、 品質の高い住環境の実現を目指しています。
HOUSEBASE 代表取締役 植村将志
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